幌馬車隊が、Autoa Camper誌、2001年1月特大号において、カラーページで2ページ(36・37ページ)に渡って掲載されました。オートキャンパー誌(八重洲出版社)からHP掲載の承諾を得ましたので、記事内容も一緒にご紹介させて頂きます。

幌馬車隊





表紙 幌馬車隊の題

 今、日本で人気のキャンピングカーといえば国産キャブコン。2×5mのコンパクトなサイズ、大人2人、子供2人の一般的なファミリーでゆったりと就寝できることが一番の魅力だ。ランニングコストが安いのもいい。でも、このキャブコン1台で、日常の買い物や通勤などすべてをこなすのはなかなか辛い。

 また、使用目的が「旅」なら問題ないが、大自然を楽しむ「キャンプ」を目的とするならばキャブコンは優れすぎの感がある。キャンプ場でキャンプしていてもPキャンプしているのとさして変わらない。そう、快適なのは有り難いことなのだが、快適過ぎるのだ。車内にいる暑さ寒さに憂いを感じることはなく、テレビやシャワー、トイレまであり、都会のシティホテルにいるのと何ら変わりない。

 「キャンプって本来なんだったっけ?」と、ちょうど疑問に感じていたところに、変わった名前のキャンパークラブから、キャンプ大会のお誘いが来た。

 「幌馬車隊」と名乗るそのクラブは、新太洋自動車販売株式会社が正規輸入している、コールマンのフォールディングトレーラー「タオス」のユーザーを中心としたクラブ。会員数約30ファミリーのこのクラブは、3年ほど前にタオスを駆る仲間同士で自然発生的に発足された。

 フォールディングトレーラーのユーザーたちは、ほかのキャンピングカーのユーザーと違い、テントキャンプからの移行がほとんど。キャンプ歴の長さが特徴だ。なかにはバスコンやキャブコンから買い換えたユーザーもいる。フォールディングトレーラーは比較的価格も安く購入しやすいが、決してキャンプの入門車ではないのだ。

 今回で幌馬車隊のミーティングは3回目となる。会員はほぼ日本全国から集まるため、今回までのミーティングは各地方からの中心となる関東地区で行われてきた。しかし、次回からは各支部のある地方でのミーティングも行う予定。まさに現代の鉄の馬に引かれたキャラバン隊、幌馬車隊が日本全国を駆けまわることになるだろう。

 説明し忘れたが、幌馬車隊というネーミングは、コールマンのフォールディングトレーラー「タオス」が、フォールディング状態を解除し、展開した姿が幌馬車に似ていることから命名されたもの。幌(キャンバス地)を使用し、鉄の馬に引かれて移動することもその名の由来だ。

池田さん  ただし、現代の幌馬車の移動中の快適さは特筆もの。折り畳んでしまえば地上高も低く、けん引車からの後方視界は抜群。走行中、横風の影響もほとんどなく、けん引中を忘れてしまうほど。便利だ、と思ったのは折り畳んだルーフの上にキャリアを付ければカーゴトレーラー並みの積載力があること。自転車やルーフボックスなどを乗せて参加しているメンバーも多数見受けられた。

 ちょっと不便かな、と思った点は、一度畳んで出発してしまうと目的地に到着するまでは途中、気軽にトレーラー内で食事や昼寝ができないこと。しかしその便利さを犠牲にしても、移動中のコンパクトさ、展開してからの車内面積の広さには、納得させられるものがある。

 幌馬車隊のキャンプスタイルの特徴は”円陣を組む”こと。なにもないアメリカ大西部の荒野を連想させる広い空き地をベストとする。その中心で子供を遊ばせ、メンバーは酒を酌み交わすのだ。と書くとなんかものすごいワイルドな集団だと思われてしまうが、実際はみなさん、はにかみ屋で礼儀正しい人たちばかり。それぞれ地方の珍しい食物を持ち寄り、さかんに薦め合っている。

武田さん  岩手から参加したメンバーは活きのいいサンマの刺し身、群馬からはなぜかホウトウ、福井からはアマエビ、愛媛からはミカンとポンジュースなど、キャンプサイトはさながら地方物産大博覧会。みなさん皿に盛りつけた自慢の名物を持って、軒を連ねた長屋のようなトレーラー間をウロウロ。気負ったアウトドアの雰囲気はみじんもなく、家庭的でほのぼのしたムードが漂う。焼きたての手作りパン、自家製のビールなど、はっきり言って素人の範疇を越えた物を作っているメンバーもいる。

 会員の年齢層の幅が広いのもこのクラブの特徴。やはりメインは小学校以下の子供を持つファミリーが多数を占めるが、子供の手が放れ、二人で参加の熟年夫婦。驚いたことに息子や娘夫婦、その子供の孫まで誘って参加している現役バリバリアウトドアマンのカップルまでいる。決して息子夫婦に連れてきてもらっているのではなく、自分でトレーラーをけん引して息子夫婦とは現地で落ち合い、トレーラーに泊めてあげているのだ。そんなことができるのも、フォールディングトレーラーの広さ、就寝定員の多さの成せる技かもしれない。

 ほかのトレーラーでもそうだが、とくにフォールディングトレーラーの場合、展開して設置したキャンプサイトを中心として数日間キャンプを楽しむのが最良の方法だと思う。毎日設営、撤収を繰り返すPキャンプ旅では、フォールディングトレーラーの本当のよさをじっくり味わうことができない。

末谷さん  その点、幌馬車隊のメンバーたちのキャンプスタイルはハッキリしている。キャンプそのものを楽しむための道具として、フォールディングトレーラーをフルに使いこなしていると言えよう。冬のキャンプはFFヒーターが装備されているから問題ないのはもちろんのこと、最高にフォールディングトレーラーが快適なのは、実は夏場なのだ。ハッキリ言ってハードシェルのキャンピングカーでは、真夏の熱帯夜は標高1000m以上の高地にでも行かない限り、とてもじゃないが過ごせない。

   たとえルーフエアコンを装備しているクルマでも、一晩中作動させていては周りに迷惑だ。その点で側面のほとんどがネットになっているフォールディングトレーラーの快適さは、湿度の高い日本では特筆ものだ。スタイル的な好みもあるだろうが、その使い勝手のよさ、トーイング中のコンパクトさでは右にでるものはない。今回のミーティングに参加して、フォールディングトレーラーの本当のよさを再発見することができた。


写真@ Autoa Camper誌、2001年1月特大号の表紙。

写真A トレーラーを展開すれば、車内の広さは目をみはるばかり。FFヒーターのおかげで冬期でもまったくの寒さ知らず。

写真B 宿泊するだけでなく、キャリアカーとしての機能も十分備え持つ。カヌーや自転車を積んで、フルにキャンプを楽しめる。

写真C 移動中のコンパクトさもフォールディングトレーラーの魅力。後方視界もよく横風による影響が少ないのも特徴だ。



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